クロアチア・ザダールで開催されているセーリング2012年49er(フォーティー・ナイナー)級世界選手権(5月7日〜12日)は9日予選シリーズ最終日(3日目)を終え、日本から出場しているナショナルチームの牧野幸雄・高橋賢次組(関東自動車工業)が8-9の総合22位に入り、上位25位までが出場するゴールドフリート入りを決め、残り5枠の出場国枠の獲得を確定。

同時に日本セーリング連盟規定によりロンドン五輪49er級日本代表チームに内定。牧野は北京五輪に続いて2回目、高橋は初めての代表となった。なお五輪に出場する20か国の中で日本は唯一のアジア地域からの出場国である。
大会公式サイト
http://www.49erworlds.org/
艇種紹介&動画
http://jsaf-osc.jp/cn08/pg04-04.html
下記は現地から到着したレポートです。
5月9日 大会3日目
本日で予選が終了。日本49erチーム牧野、高橋組がやってくれました。ゴールドフリートに国枠未獲得国が5か国入ったため、この5か国に自動的に出場国枠が与えられ、出場権を獲得しました。
日本の49er級は2000年のシドニー五輪に採用されてから4大会全ての五輪に連続で出場することとなりました。
選手たちは朝から緊張の面持ち。北京五輪が終わってからの3年10か月の運命が決まる日。
国枠未獲得の国はどこも同じ。自分との戦いに勝てるかが勝負の鍵でした。
選手がいつもの自分にならなかったので1レース目の前にはほとんどヨットの話をせず、リラックスタイムに充てましたが歯車がかみ合わず、ワースト順位の17位。これが良い方向に向かいます。
他国に対してアドバンテージがなくなり、選手に「順位を守る」気持ちが無くなり、「風に対してレースをし、少しでも早くマークに到達する」いつもの思考に変わってくれました。
2レース目は1上12位からジワジワ順位を上げていき9位フィニッシュ。3レース目の前にハーバーに戻りますが、競っている他国との得点差を計算すると誰かをケアするのではなく一つでも良い順位で入ることを考えないとゴールドフリートに進出できないことが判明。これも日本チームにとって良い方向に転がりました。3レース目はいつも通りの気持ちでレースをすることができ、8位でフィニッシュ。
帰着後、日本、ギリシャ、イタリア、カナダは成績表の前にかじりつき、必死に得点計算。われわれは必死さを感じ取ってくれたのか、他国の選手たちが掲示板前列をわざわざ譲ってくれて感謝でした。
この3日間、選手は必死に戦ってくれました。オリンピックに出場できるという結果を残せたことは大きな収穫です。ですがまだ戦いを続けることができます。牧野・高橋組はゴールドフリートのビリから4番目。世界のトップ選手達にぶつかることのできる3日間です。
ロンドン五輪を見据え、前を見て、上位を目指し戦っていきます。
【牧野選手コメント】
うれしさよりも悔しさの方が大きいです。オリンピックまでにもっと戦えるように明日からのレースで何かをつかみたいです。
【高橋選手コメント】
ホッとしているというのが正直なところです。今まで応援してくれた方々、支えてくれた関係者の皆様に感謝しています。ありがとうございます。今はこれしか頭の中にありません。
【総合成績】32か国 74艇 3日目終了時
牧野幸雄・高橋賢次組(関東自動車工業株式会社)
総合22位 11-1-6-1-(OCS)-14-17-9-8
オリンピック出場権未獲得国での順位 2位
以上