英国・ウェーマス日本セーリング連盟・オリンピック特別委員会より、2012オリンピックでセーリング競技の様子が届きました。
以下、日本セーリング連盟・オリンピック特別委員会広報より引用。
470級女子 近藤・田畑組 まさかのトラブル 総合14位に後退
470級男子 原田・吉田組 総合14位に浮上
レーザーラジアル級・土居愛実 総合30位で五輪終了
[8月4日 ウェーマス発]
今日のウェーマスは気温17℃、曇りのち晴れ。風向・南寄り210〜200°、風速は正午過ぎ18ノット前後、その後16から14ノットに落ちてきました。(49er級は本日レイデー)
大会7日目、前日好スタートを切った470級女子・近藤/田畑組は今日の最初のレース(第3レース)を下4からの好スタートを切りましたが、次のタックで中に返したのが裏目に出て1上を19位回航、その後巻き返しを図りましたが僅かな挽回で17位フィニッシュとなりました。
続く第4レース。抜群のスタートを切り、ほどなくトップに立ち、順調な走りを見せて大上マークに向かっていましたが、そこで想定外の出来事が起こりました。メインセールをマスト上部に持ち上げているロープ(メインハリヤード)の縛り目が突然解けてしまいセールが落下してしまいました。メインセールは主エンジンの役目を持っていますがそれが落ちれば失速となります。近藤組はすぐに艇を横倒しにして、海中で驚異的なスピード(4分ほど)で外れた部分をつなぎ、レースに復帰しましたが、時すでに遅く、全マークを最後尾で走ることを余儀なくされました。通常ならば絶対に解けない部分がこうなるとは・・・関係者が一様に言葉を失う「トラブル発生」となりました。しかし、近藤組はリタイアを避けるべく手間取る海中作業を2人で頑張り、最後まで懸命に走る姿はさすがを思わせました。
帰着後の2人は淡々として落ち着いた表情でした。「なぜこうなったのか原因は分からない。自分たちが起こしたミスだけにとても悔しいが、今後起こらないようにしたい。明日からは毎日取り返します」と堂々としたコメントでした。4レースを終えて総合は14位に後退しましたが、まだ分かりません。明日の走り次第で再び浮上のチャンスは残されています。
一方、今日の470男子は本来のスタート勘を取り戻した感があります。最初のレース(第5レース)は最良のスタートで1上を2位回航、最終レグで抜かれはしたものの今回ベストの7位フィニッシュ。続く第6レースは同じように終盤に順位を落としましたが11位フィニッシュ。前日の総合20位から6番ジャンプアップして総合14位に浮上しました。明日はレイデーです。休養を取りリフレッシュの1日です。
「いつものレースらしく今日はよくできました。ただし、終盤で抜かれてしまったのは悔しいので、あと4レース強気で勝負したいと思います」のコメントでした。
明日はウインドRS:X級男女が最終日を迎えます。
【レーザーラジアル級・土居愛実】
最終日の2レースを27-29と頑張り、総合31位で五輪を終了しました。若干18歳、記念すべき国際舞台を一生懸命走りました。これからの日本女子セーリング界を担う逸材です。健闘に拍手です。
「自分の力が世界レベルに追いついていないことが分かり、とても悔しいです。4年後に必ず五輪に戻って来たいと思っています。指導してくれたコーチ、支えてくれた家族、友人たちに感謝します」。帰着後のコメントです。
【ウインドサーフィン RS:X(アールエス エックス)級男子・富澤 慎】
「どうにも走りません。考えられるチューニング・取り付けなど何度も試してみましたがダメです。残念で悔しいです。明日の2レースでは一発ぐらいはよい順位を取って帰りたいと思います」
【ウインドサーフィン RS:X(アールエス エックス)級女子・須長由季】
「スタートはよくなっているのですが、一生懸命走っている割には自分の思っているフィーリングが出せずじまいなので歯がゆく、悔しい思いをしています。明日も頑張って走ります」
【出場種目・日程・代表選手】
◆49er(フォーティー・ナイナー)級(ダブルハンド) 20か国
7月30日(月)〜6日(月)全15レース
≪4日・7日予備日≫ メダルレース8日(水)
☆ 牧野 幸雄・高橋 賢次組(トヨタ自動車東日本)
◆レーザーラジアル級(シングルハンド) 39か国
7月30日(月)〜4日(土)全10レース
≪2日・5日予備日≫ メダルレース6日(月)
☆ 土居 愛実(慶應義塾大学)
◆ウインドサーフィン RS:X(アールエス エックス)級男子 38か国
7月31日(火)〜5日(日)全10レース
≪3日・6日予備日≫ メダルレース7日(火)
☆ 富澤 慎(トヨタ自動車東日本)
◆ウインドサーフィン RS:X(アールエス エックス)級女子 28か国
7月31日(火)〜5日(日)全10レース
≪3日・6日予備日≫ メダルレース7日(火)
☆ 須長 由季(ミキハウス)
◆470(ヨンナナマル)級男子(ダブルハンド) 27か国
8月2日(木)〜7日(火)全10レース
≪5日・8日予備日≫ メダルレース9日(木)
☆ 原田 龍之介・吉田 雄悟組(アビームコンサルティング)
◆470(ヨンナナマル)級女子(ダブルハンド) 20か国
8月3日(金)〜8日(水)全10レース
≪6日・9日予備日≫ メダルレース10日(金)
☆ 近藤 愛・田畑 和歌子組(アビームコンサルティング)