宮城・仙台新港ポイントの波情報をいただいている、JAPSS SURFの熊谷素子プロよりレポートが届きました。
震災当日の様子や現在の復興の様子など、レポートが届き次第、順次掲載させていただきます。
次回の新港のビーチクリーンは9月11日(日)と決まり、NSAビーチクリーンACTとして開催する事になり、張り切ってクラブ員の人達に駐車券を配布していたある日、突然、中止の連絡が入りました。
9月11日は、東日本大震災からちょうど半年。色々な意味でこの日は祈願したかったので、ビーチクリーンの中止の連絡を受けた時は、本当に残念でした。
原因は、ビーチへ降りる階段が波の浸食によって破壊され、安全確認ができないとの事。
前回のビーチクリーンの時は、唯一1つだけ階段が残っていたのでビーチへ降りる事ができましたが、今回は階段の真ん中から下が、波の浸食によって破壊されていました。

9月7日:破壊された階段
地盤沈下もあり、ビーチはかなり狭くなっていて、高台にできた駐車場の河口寄りは、波の浸食で直角に切り立ってる状態です。大きな台風なのでさらにえぐられてしまうのが心配です。

9月7日:駐車場河口寄り
河口寄りにあった消波ブロックも沈んでいました。この消波ブロックは壁寄りにあったんですが、以前より海側に沈んでいます。
それだけ、駐車場のある高台側が削られているという事です。
9月7日:沈んだ消波ブロック
8月末から、海岸のコンテナ撤去作業も始まり、少しずつ復興に向けて動き出していますが、自分達ができる事の一つとして、安全確認が取れたら、ビーチクリーンを行っていきたいと思います。
話は3月末に戻りますが……都市ガス以外のライフラインが復旧し、食糧・ガソリンパニックも落ち着いてきたので、「自分に何かできる事はないだろうか?」と思い、仙台市のボランティアセンターに登録しました。
依頼される仕事は、津波の被害のあった家や老人ホームなどの泥出し、家具出しなどの作業。避難所のお手伝いなどでした。
泥出し・家具出し作業
おにぎりと飲み物を持って、午前・午後と泥出し・家具出し作業。疲労困憊(こんぱい)でしたが、少しずつきれいになっていくので達成感のような物も感じられました。
でも、避難所のお手伝いは、正直、最初は本当に辛かった。
行方不明者を探しにこられる方の対応、食事や物資の配布、ここにいらっしゃる方々は、色々な物を失って傷ついている……。
言葉一つにしても気を配り、震災の事などは聞き手になる以外は絶対話さないように、エコノミー症候群にならないようにマッサージしたり、と二週間がたったある日、気持ちが通じたのか? いつのまにか名前で呼ばれ、気軽に話しかけてこられる方が増えてきました。
「目に見えて皆様、元気になっている!! ここに来て良かった!」と心底思いました。
しかし……「あしたから頑張ろう〜!」と思っていた4月7日深夜、最大震度6強の長い地震に襲われたのです。
ぐちゃぐちゃな店内
店の前
また3月11日と同じ、それ以上の被害になってしまい、振り出しに戻りました。
続く……
宮城県・仙台
JAPSS SURF 熊谷素子